ゴルフ場システム 現場と本社の狭間で

私はよくゴルフ場の現場の人にこんなコトを言われる。

「それって本社が言うてたんやろ?」

ここで言う「それ」とは現場の人にとっては「とてもめんどくさいコト」と表
現すればいいだろうか。例えば通常の運用には必要のないデータを入力させら
れるとか、本社へデータを送るために余計な作業が必要になるだとか・・・
そしてその発言は「それ」をさせられる羽目になった事への多少の怒りがこも
っていたりするのです。

しかし本社では来場している客層を掴むために

・どんな年齢の人か?
・性別の割合は?
・どんなプランの商品が売れているか?
・どれぐらいの値段なら来場者数は増えるか?
・どの地域からよく来ているか?
・会員さんはどの種別の人がよく来るか?
・会員が何人同伴を連れてきたか?
・ビジターの割合は?
・平日で来場が多い曜日は?
・セルフの来場数は?
・レストランの売れ筋商品は?

ゴルフ場とすればこれぐらいのデータは営業の資料として必要となると思われ
る。本社ではこれらのデータを集計し、分析して新しい商品や営業展開を練っ
たりしたいわけです。

ただ、これらのデータを得るには少なくともこれらのデータを集計出来るだけ
のインプット作業が必要になるわけです。例えば会員さんなら問題ないが、ビ
ジターの年齢を得るにはチェックイン時、もしくは精算時にそれらのデータを
入力せねばならない、とか、どの地域の来場者が多いなどというのも署名簿を
見ながら人数を集計して行かねばならず、これまた現場の負担になるのです。

つまり現場としては「こっちに負担ばかりかけやがって!」なんて発想が出て
くるのである。確かにそれは大いに言えることで実際それらのデータを集計す
るだけして「本当に集客に役立っているのか?」という疑問もあるわけです。

つまり

「集計して、それを眺めて、『う~ん』とうなって、それで終わり・・・」

何てコトになりかねない。
何故なら本社からでは現場のことが見えてないので働いている人たちがどんな
「動き」をしているのか分からないし、、直接お客さんと接するわけではない
のでお客さんがどんなことを「要望」しているのかも知るよしがない。
また、現場ではこれらのデータを入力するだけの人数も揃っていないのが現状
なので本社から「必要!」といわれても「無理!」と答えるしかない悲しい現
実があるのも確かである。

私が常々考えているのは「アイデアはお客さんが運んでくる」と考えています。
作っている我々よりも、使っているお客さんの方が「より使いやすさ」を追求
するだろうし、そのためにあらゆる工夫を凝らそうとするからなのです。

例えば「魅力のあるゴルフ場」を考えた時にまず第一にコース、第二に従業員
の対応の良さ(サービス含む)、第三に美味しい食事が出てくること・・・
ぐらいですかね。まぁ「値段」というのをこの中に入れても良いんですが、ち
ょっと侘びしくなるんで省きました(笑)。

確かに私の立場としては「本社のやりたいこと」はよく分かるし、推進もして
いきたいし、それで集客に結びつくような「手」を打てたらと常々考えている
のですが、現場の負担を見ていると「それよりもねぇ・・・」と思わず現場よ
りに考えてしまうのですね。

ゴルフ場とはコンビニなどと違い「商品」自体は限られています。その中でい
かに他ゴルフ場と差別化していくか、魅力的な商品を作れるか、効率的な販促
をしていけるか、それを常に考えているゴルフ場が勝ち残っていくんでしょう
ね。

投稿者 irisa : 2005年05月26日 20:20

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